大学の中国語の授業でどのくらい中国語が出来るようになるのか?話せるようになるのか?について詳しく解説したいと思います。
これから大学に進学して中国語を勉強しようと考えている皆さん、今大学生で中国語の授業を履修するか悩んでいる皆さんの参考になればと思います。
大学での学びについて
大学のカリキュラム(教養科目、専門科目、卒業研究・卒業論文)
大学では多種多様な科目が用意されており、自分の好きな科目を履修登録して受講することが出来ます。好きな科目を受講できると言っても各大学の学部・学科・コースごとにカリキュラムが決まっています。
大学によって多少違いはありますが、ほとんどの場合、カリキュラムの構成は大きく①教養科目②専門科目(学部専門科目と学科専門科目)③卒業研究・卒業論文から成ります。
カリキュラムとは、各大学の学部・学科・コースなどの教育内容を体系化したものです。そのため、自分の学びたい内容の学問がその大学の学部・学科・コースで実現できるかをしっかり把握しておきましょう。
教養科目とは、学部・学科・コースなどの専門科目を学ぶ前、または専門科目と同時に学ぶ科目です。わかりやすくいうと、専門科目を学ぶ前に全ての学生が身に付けなければならない学びを習得する科目です。基本的に1年次に同じ大学の他学部の学生と一緒に広い教室で100〜200人単位で同時に授業を受けます。
専門科目とは、所属する学部・学科・コースを卒業するために履修しなければならない科目です。多くの場合、学部専門科目と学科専門科目とがあります。名前の通り、専門的な学びをする科目です。多くの場合2〜4年次で履修します。
卒業研究・卒業論文とは、四年間の大学での学び通して自分の専攻テーマについて研究をし、論文やレポートにまとめ発表します。4年次のカリキュラムに組まれているため、大学における学び集大成であると同時に卒業するための最後の関門でもあります。ただ、最近では卒研や卒論を卒業要件に盛り込んでいない大学も増えてきています。
大学の卒業条件(単位、必修科目、選択科目、選択必修科目)
大学は単位制なので、定められた単位を取得しないと卒業ができません。一般的に128単位以上の取得が卒業の条件になっています。さらに、128単位以上取得すればいいと言うわけでもなく、128単位のうち専門科目で〇〇単位以上、教養科目で〇〇単位以上、これらの科目の中で〇〇単位以上、卒業研究・卒業論文必須などといった項目が大学の学部・学科・コースごとにあります。
また、科目にも必修科目と、選択科目、選択必修科目とがあり、そのうちの必修科目は履修して単位を取らないと次の学年に進級できなかったり、卒業出来なかったりします。
単位とは、履修した科目を数字化したものです。単位数は科目によって異なります。大学は前期と後期の二学期制で授業は各科目週1回あります。例えば、週1回の通年(前期・後期の両方)の科目は、予習・復習の各1時間を加えて計4時間の勉強が必要という意味で4単位。週1回の半期(前期か後期のどちらか)の演習・外国語科目は予習・復習が不要とされ1単位と定められています。つまり、半期の講義科目は2単位、演習科目は1単位ということです。
必修科目とは、進級や卒業するために履修し、単位を取得しなければならない科目です。
選択科目とは、自由に選択できる科目です。
選択必修科目とは、指定された科目群からどれか一つを履修し単位を取得しなければならない科目です。基本的に半期での講義科目は2単位、演習科目は1単位です。
単位とは、履修した科目を数字化したもので、科目によって異なります。
ゼミと研究室
大学にはゼミという10〜20人程度を相手に教授が授業をする演習があります。ゼミでは担当する教授が決まっており、その教授のゼミを希望する生徒を集めゼミクラスを形成します。扱う学問もその教授の専門分野になることが多いです。そのため、自分の学びたい、研究したい分野に精通した教授のゼミクラスに入ります。
ゼミの仕組みは大学ごとで少し異なりますが、基本的に1年次は教養科目を学ぶゼミ、2〜4年次は自分の関心のある専門分野に精通した教授のゼミで学び、4年次に卒業研究・卒業論文に取り組むという流れです。理系の場合はゼミではなく研究室に入り実験や研究を行います。
好きな時間割を作れるといっても所属している学部や学科、コースなどによって決まった分野の必修科目や選択必修科目と取らなければならない単位が指定されているのでまずはそれらの時間割を埋めてから余った分の単位を自分の取りたい興味のある授業に回して履修するのが普通です。
ゼミとは、少人数の生徒が教授のもとであるテーマについて研究する演習です。
大学での中国語の授業について
大学で中国語の授業は履修できるのか
結論から言うと、どの大学でも中国語の授業は希望すれば履修は可能です。まず、ほとんどの大学では第二外国語が必修科目、あるいは選択必修科目となっています。第二外国語とはその名前の通り、2番目に学習する外国語です。基本的に第一外国語は英語という考えなので、第二外国語では英語以外の外国語を学ばなければなりません。大学によって言語のレパートリーに多少差はありますが、中国語をはじめ、フランス語やスペイン語、ドイツ語、韓国語などといった言語は定番なのでどの大学にも授業があります。そのため、第二外国語で中国語を必修科目、あるいは選択必修科目として履修することができます。もちろん自由選択科目で履修することもできます。
中国語の科目数
一概に中国語の授業と言っても、教育機関の最高峰である大学では数多くの科目が設けられています。例として、中央大学で設けられている中国語の科目を挙げてみます。
中国語Ⅰ、中国語Ⅱ、中国語Ⅲ、中国語1aⅠ、中国語1aⅡ、中国語1b 1、中国語1bⅡ、中国語1cⅠ、中国語1cⅡ、中国語2aⅠ、中国語2aⅡ、中国語2bⅠ、中国語2bⅡ、中国語科教育法1/中国語科教育法Ⅰ、中国語科教育法2/中国語科教育法Ⅱ、中国語科教育法3/中国語科教育の指導法Ⅰ、中国語科教育法4/中国語科教育の指導法Ⅱ、中国語ビジネス交渉論、中国語ビジネスコミュニケーション論、Lecture(中国語Ⅰ)/中国語特講Ⅰ、Lecture(中国語Ⅱ)/中国語特講Ⅱ、Lecture(中国語Ⅲ)/中国語特講Ⅲ、Lecture(中国語Ⅳ)/中国語特講Ⅳ、Lecture(中国語Ⅴ)/中国語特講Ⅴ、Lecture(中国語Ⅵ)/中国語特講Ⅵ、中国語Ⅰ、中国語Ⅱ、中国語Ⅲ、中国語Ⅳ、中国語Ⅴ、中国語Ⅵ、高級漢語会話(1)[ハイレベル・中国語コミュニケーション(1)]、高級漢語会話(2)[ハイレベル・中国語コミュニケーション(2)]、漢語昇級考試輔導(1)[資格のための中国語(1)]、漢語昇級考試輔導(2)[資格のための中国語(2)]、出国留学漢語培訓(1)[留学のための中国語(1)]、出国留学漢語培訓(2)[留学のための中国語(2)]、中国語⑴、中国語⑵、中国語⑶、中国語⑷、中国語⑸、中国語(B群)/総合(基礎)、中国語(B群)/コミュニケーション、中国語(B群)/読解、中国語学講義(1)A、中国語学講義(1)B、中国語学講義(2)A、中国語学講義(2)B、中国語講読(2)A(3)A/高級漢語閲読(1)[ハイレベル・中国語読解(1)]、中国語講読(2)A(3)A/高級漢語閲読(1)[ハイレベル・中国語読解(2)]、中国語講読(1)A、中国語講読(1)B、中国語作文(1)A、中国語作文(1)B、中国語作文(2)A、中国語作文(2)B、中国語作文(3)A、中国語作文(3)B、中国語会話(1)A、中国語会話(1)B、中国語会話(2)A、中国語会話(2)B、中国語学概論A、中国語学概論B、中国学研究法/中国言語文化特別演習B、中国学実習/中国言語文化特別演習A、中国言語文化基礎演習(1)、中国言語文化基礎演習(2)、中国語AⅠ、中国語AⅡ、中国語AⅢ、中国語AⅣ、中国語BⅠ、中国語BⅡ、中国語BⅢ、中国語BⅣ、上級中国語1a・2a、上級中国語1b・2b
このように、中国語を学べる科目だけでも約50もあります。もちろん大学によって科目数に違いはありますが、なぜこんなにもたくさんの中国語の科目があるのでしょうか。その理由として次の2つが考えられます。
1つ目の理由は、学生の多さです。2020年時点で日本一学生が多い大学は日本大学で66,540人、次いで二位が早稲田大学の38,642人、三位は近畿大学で33,234人です(旺文社の集計データより)。このように、大学とは数千から数万単位で学生が在籍しています。そのため、中国語の勉強したいと希望する学生が中国語の授業を履修できるように科目数を増やしています。ちなみに上であげた大学も2万人以上の生徒が在籍しています。
2つ目の理由は専門的に学ぶためです。大学は最高の教育機関であり、研究機関でもあります。そのため、幅広い視点から専門的に学び、研究する環境が必要なのです。特に言語は広く細分化して学習する分野でもあります。高校の英語の授業を思い出してみてください。総合英語やコミュニケーション英語、英語表現、リーディング英語、ライティング英語、リスニング英語、英語演習、実践英語など英語を学ぶ科目がいくつもあったと思います。このように専門的に学ぶために大学では中国語の科目が多くあります。
大学の中国語の授業で学ぶ内容(総合、作文、会話、読解、実践、教育)
中国語の科目はその授業内容で大きく次のように分類することができます。
- 総合中国語
- 作文中国語
- 会話中国語
- 読解中国語
- 実践中国語
- 教育中国語
総合中国語は、中国語の基礎を中心に読む、書く、聞く、話す、中国の文化や歴史などの中国語に必要な知識・技能を総合的に学びます。作文中国語は、書くことを重点的に学びます。会話中国語は、会話、コミュニケーションを重点的に学びます。読解中国語は、読みを重点的に学びます。実践中国語は、ビジネスや海外旅行、留学、日常などで実戦で使える中国語を重点的に学びます。教育中国語は、中国語教育や中国語教授について重点的に学びます。
多くの学生が第二外国語で中国語を履修する場合は、普通は総合中国語の分野を学びます。そこで基礎的な中国語を習得していくという流れです。作文、会話、読解、実践中国語はある程度中国語の基礎が身についている生徒が履修し中国語のレベルを更に高めていくとった形です。最後の教育中国語に関しては、中国語の教員を目指している生徒が対象です。中国語にも国語や英語のように中学・高校の教員免許があるので、取得を目指す生徒が主に履修します。
大学の中国語の授業でどのくらい中国語ができるようになるのか?
中国語の能力を測る検定試験として中国語検定試験とHSKの2つがあります。中国語検定試験は1級が最も高い級で、準1級、2級、3級、4級、準4級と続きます。一方、HSKでは6級が最も高い級で、5級、4級、3級、2級、1級と続きます。また、HSKの場合は5級と6級に関しては合否ではなくスコアのみの結果になります。それでは中国語検定試験とHSKの級別の能力基準を見てみましょう。
中国語検定試験
- 準4級:中国語学習の準備完了。学習を進めていく上での基礎的知識を身につけている。(学習時間60~120時間。一般大学の第二外国語における第一年度前期修了, 高等学校における第一年度通年履修,中国語専門学校・講習会などにおける半年以上の学習程度。)基礎単語約500語による発音(ピンイン表記)及び単語の意味, 日常挨拶語約50~80による語句・単文の中国語訳。
- 4級:中国語の基礎をマスター。平易な中国語を聞き,話すことができる。(学習時間120~200時間。一般大学の第二外国語における第一年度履修程度。)発音(ピンイン表記)及び単語の意味,常用語500~1,000による単文の日本語訳・中国語訳。
- 3級:自力で応用力を養いうる能力の保証(一般的事項のマスター)。基本的な文章を読み,書くことができる。簡単な日常会話ができる。(学習時間200~300時間。一般大学の第二外国語における第二年度履修程度。)発音(ピンイン表記)及び単語の意味,常用語1,000~2,000による複文の日本語訳・中国語訳。
- 2級:実務能力の基礎づくり完成の保証。複文を含むやや高度な中国語の文章を読み,3級程度の文章を書くことができる。日常的な話題での会話ができる。熟語・慣用句の意味,語句の解釈,500字程度の中国語の文章の部分訳,30字程度の単文の中国語訳。
- 準1級:実務に即従事しうる能力の保証(全般的事項のマスター)。社会生活に必要な中国語を基本的に習得し,通常の文章の中国語訳・日本語訳,簡単な通訳ができる。(一次)新聞・雑誌・文学作品・実用文などからやや難度の高い文章の 日本語訳・中国語訳,及び熟語・慣用句などを含む総合問題。(二次)日常会話,簡単な日本語・中国語の逐次通訳及び中国語スピーチ。
- 1級:高いレベルで中国語を駆使しうる能力の保証。高度な読解力・表現力を有し,複雑な中国語及び日本語 (例えば挨拶・講演・会議・会談など)の翻訳・通訳ができる。(一次)新聞・雑誌・文学作品・実用文などから難度の高い文章の 日本語訳・中国語訳,及び熟語・慣用句などを含む総合問題。(二次)難度の高い日本語・中国語の逐次通訳。※1級合格者は通訳案内士試験の外国語筆記試験が免除されます。(日本中国語検定協会ホームページより)
簡単にまとめると、中国語検定試験1級・準1級はネイティブレベルの非常に高い中国語力を能力を身に付けている。2級は実践レベルの高い中国語力を能力を身に付けている。3級は日常会話レベルの中国語能力を能力を身に付けている。4級・準4級は基礎的な中国語能力を能力を身に付けている。ということになります。一般的にビジネスなどで求められる中国語は中国語検定2級以上です。
HSK
- 1級:中国語の非常に簡単な単語とフレーズを理解、使用することができる。大学の第二外国語における第一年度前期履修程度。150語程度の基礎常用中国語及びそれに相応する文法知識。
- 2級:中国語を用いた簡単な日常会話を行うことができ、初級中国語優秀レベルに到達している。大学の第二外国語における第一年度履修程度。300語程度の基礎常用中国語及びそれに相応する文法知識。
- 3級:生活・学習・仕事などの場面で基本的なコミュニケーションをとることができ、中国旅行の際にも大部分のことに対応できる。600語程度の基礎常用中国語及びそれに相応する文法知識。
- 4級:中国語を用いて広範囲の話題について会話ができ、中国語を母国語とする相手と比較的流暢にコミュニケーションをとることができる。1200語程度の常用中国語単語。
- 5級:中国語の新聞・雑誌を読んだり、中国語のテレビや映画を鑑賞することができ、中国語を用いて比較的整ったスピーチを行うことができる。2500語程度の常用中国語単語。
- 6級:中国語の情報をスムーズに読んだり聞いたりすることができ、会話や文章により、自分の見解を流暢に表現することができる。5000語以上の常用中国語単語。(HSKホームページより)
簡単にまとめると、HSK1級、2級は基礎的な中国語の能力を身に付けている。3級、4級は中国語で問題なくコミュニケーションを取ることができる能力を身に付けている。5級、6級は中国語の新聞や映画の鑑賞といった中国語の情報を理解し、表現できる能力が身に付いている。ということになります。一般的に、ビジネスなどで求められるのはHSK5級以上です。
中国語検定試験とHSKを級を置き換えて見たい場合は、だいたい以下のように当てはめることができます。
- 中国語検定試験準4級=HSK1級、2級
- 中国語検定試験4級=HSK3級
- 中国語検定試験3級=HSK4級
- 中国語検定試験2級=HSK5級〜HSK6級の易問。
- 中国語検定試験準1級=HSK6級の難問。
- 中国語検定試験1級=該当なし。
このように、中国語検定試験の最上級である中検1級よりもHSKの最上級であるHSK6級の方が合格はしやすいです。(HSK5級、6級には合否判定はありませんが、スコア180以上を合格と見なしています。)
中国語検定試験とは、「読む」「聞く」「話す」「書く」の四技能に加えて「訳す」能力が重視されます。日本語を母語とする中国語学習者向けの検定試験になります。つまり、中国語検定試験=日本人向け、国内向けの中国語能力検定試験。となります。
HSKとは、漢語水平考試(Hànyǔ Shuǐpíng Kǎoshì)という正式名称で、中国政府公認の検定試験になります。そのため、合格証明や成績証明は日本や中国だけではなく全世界で広く利用することができます。つまり、HSK=中国政府が推奨している全世界向けの中国語能力検定試験。となります。
中国語学習者は基本的に中国語検定試験とHSKの両方を受けますが、どちらを受けるか。または、どちらの対策に力を入れるか悩んでいる方は、間違いなくHSKの取得に力を入れて取り組むべきです。HSKは中国政府公認の検定資格なので、一般的に海外留学や就職で求められるのはこちらになります。
1年間中国語の授業を履修した場合(4単位)
一般的に第二外国語として中国語の授業を履修する場合、総合分野の中国語の授業1科目を通年で履修します(4単位)。または、前期(2単位)と後期(2単位)で合わせて履修します。大学で1年間中国語の授業を受講した場合(週1コマ。通年で約30コマ)どれくらい中国語ができるようになるのでしょうか。
答えは、中国語検定試験4級、HSK3級相当の中国語が身に付きます。
やはり、週1コマ。通年で約30コマの学習ですと身に付く中国語能力は中国語検定試験4級相当です。もちろん授業外で努力して勉強すれば更に上の級に相当する中国語を身に付けることは全然可能ですが、決して簡単ではありません。実際に、中国語検定試験4級の上である中国語検定試験3級は「学習時間200~300時間。一般大学第二外国語における第二年度履修程度」ですので簡単ではないことがわかります。そのため、中国語を話せるレベルまで持っていきたいのなら2年間の中国語授業の履修を強くおすすめします。
中国語専攻や中国語コースの場合
外国語大学や外国語学部、外国語学科・コースなどで中国語を専攻する場合は、必修科目や選択科目、選択必修科目で中国語の科目を多く履修しなければなりません。つまり、4年間みっちり中国語を学べる環境に置かれています。そのような生徒の場合は卒業する時にどれくらい中国語ができるようになるのでしょうか。
答えは、中国語検定試験2級、HSK5級、6級相当の中国語が身に付きます。
大学1〜2年次はしっかり基礎を学び総合的な中国語力を磨くので、中国語検定試験3級、HSK4級相当の中国語が身に付きます。3~4年次は中国語検定試験2級、HSK5級、6級相当の中国語能力が身に付きます。大学の中国語専攻では卒業までに中国語検定試験2級相当の中国語能力の習得を目標としている場合がほとんどです。実際に、中国語検定試験2級レベルの中国語能力は仕事上で問題なく中国語を使いこなせるレベルですので企業でも評価されます。
中国語検定試験・HSKの目標級
先ほど挙げた中国語がどれくらいできるようになるのかという指標は、大学の中国語の授業のシラバスを参考にして導き出した答えです。加えて、私自身の経験や周囲の中国語学習者の傾向、大学の教授のご意見なども取り入れて総合的に導き出したものです。そのため、努力次第で全然これより高い中国語能力が身に付きますし、努力しなければ全く身に付きません。実際に、卒業までに中国語能力試験1級を取得した学生もいますし、4年間中国語を勉強したにも関わらず全く話せない学生もいます。これは中国語に限らずどの学問においても言えることです。大学は主体的に学び、追求する機関ですので努力は必要不可欠です。
シラバスとは、大学の授業に置ける授業内容や日程、成績の評価方法、学習目標などの「授業計画」が詳しくまとめられた資料です。
大学で中国語を学ぶメリット
将来のビジネスチャンスが広がる
中国は日本を超えアメリカに次ぐ世界第二位の経済大国です。アメリカのフォーチュン誌が発表した2019年版の企業番付「Fortune Global 500」では500企業中129社も中国企業がランクインしていました(うち10社は香港、台湾企業)。これはアメリカの121社を抜いて第一位です。また、日本は中国と経済的にも文化的にも非常に強いつながりにあります。つまり、中国語を学ぶということは将来のビジネスチャンスを広げるということです。
13億人以上の人とコミュニケーションが取れる
中国語を母語としている人は13億7000万人と世界一位です。ちなみに二位は英語の5億3千万人、次いで三位がスペイン語で3億3200万です。(Wikipedia「https://ja.wikipedia.org/wiki/ネイティブスピーカーの数が多い言語の一覧」より)。つまり、中国語ができれば13億人以上の人とコミュニケーションが取れるということです。
中国語は日本人にとって学びやすい言語である
中国語は漢字を使っているという共通点などがあることから日本語との言語間距離が近い言語の一つと言われています。つまり、日本人が習得しやすい言語ということです。英語がだめでも、中国語や韓国語なら勉強して話せるようになったという人が多くいるのはこの言語距離が関係しています。
言語間距離とは、ある言語とある言語がどれくらい似ているのかということを距離で例えたものです。言語間距離は文法や発音などとった言語の特徴が似ていれば近く、習得しやすい言語とされています。
中国語を専門的に学べる大学一覧
中国語を専攻できる学部学科のある大学がまとめられています。
おわりに
大学の中国語の授業でどのくらい中国語が出来るようになるのか?についてのまとめてみました。最後までご覧いただきありがとうございました。これから大学に進学して中国語を勉強しようと考えているみなさん、今大学生で中国語の授業を履修しているみなさん是非頑張ってください。